Nさんご夫妻の新居は、住宅街でありながら飲食店や総菜屋なども多い、活気のある旭川市豊岡エリアにあります。このエリアは今回施工を担当した昭和木材株式会社の本社も近く、建築用地も多数分譲中です。
大正2年創業の昭和木材は、自社で製材した建材を使った精度の高い住宅建築が魅力です。Nさん邸でも、随所で木の温もりを感じられました。今回は、オーナーのNさんご夫妻と設計担当の林のぞみさんにお話を伺いました。
Nさんご夫妻は、コロナ以降の木材や物価上昇を考慮したうえで、家をもちたいと考え、土地を探していました。そんなとき、近所で昭和木材の分譲地の看板を見つけたことが同社との出合いになりました。
ホワイトでシンプルにまとめられた北欧モダン風の外観。屋根に勾配はありますが無落雪仕様です。
N邸は延床面積27坪のコンパクト住宅。どんな住空間が広がっているのでしょう。早速中を拝見します。
共働きのご夫妻がこだわったクローゼットとつながる1階の回遊動線
N邸では、2階のLDKに十分なスペースを確保するため、1階に水回りをまとめています。共働きのNさん夫妻。水回りとクローゼットを回遊動線でつなぐことで家事楽を実現しています。
玄関に入ると、ナラの無垢床がお出迎え。無垢材は東川町にある昭和木材・旭川工場で加工した自社製材を採用。ここではナラ(オーク)やクルミ(ウォールナット)など木目が美しい広葉樹を加工し、床板や家具、造作用の木材や集成材加工をしています。
昭和木材・旭川工場の詳しい記事はこちら
十分に確保されたシューズクローゼットには引き戸がついており、普段は目隠しできます。ニッチを彩るウィリアムモリスの壁紙は奥さまのチョイスです。
1階ホールには、帰宅後すぐに手を洗えるよう洗面所が設置されています。浴室と分けることで、入浴中の人と鉢合わせしないようにという配慮も。存在感のあるタモのルーバーは、洗面所の目隠しだけでなく、空間を彩るポイントにもなっています。
ホールから続く浴室とランドリースペース。その場で洗濯物を干したり、アイロンがけしたりと、洗濯仕事を一カ所で完結できます。
ランドリースペースの隣には、ウォークインクローゼットを配置。乾いた洗濯物をそのままクローゼットにしまえるため、スムーズに家事を進められます。
ウォークインクローゼットは3畳の広さで、衣類だけでなく日用品もまとめて収納できるようにしています。N邸では、個室のクローゼットを無くし、1ヵ所に集中させることで、各個室の省スペース化を図っています。
ウォークインクローゼットは、ご夫妻の寝室につながっています。ベッドスペースは小上がりになっていて、落ち着きのあるブルーグレーの壁紙と腰壁調のヘッドボードをあしらうなど、おしゃれな雰囲気が魅力的です。
カーテンを下ろすと、間接照明やダウンライトの効果で、ぐっと落ち着いた空間に。
キッチン収納をインテリアに生かした広々2階LDK
階段は、将来のことを考えて、通常の階段より段の高さを低めに設定し、昇り降りしやすい造りにしています。
階段をのぼると最初に目に入るのが北欧モダンなカップボードです。お客さまをお迎えするエントランスと捉え、インテリア性を高めています。2階も1階同様、カップボードを中心とした回遊動線になっています。
カップボードの背面には、カウンターとキッチン収納を配置。キッチン家電やゴミ箱がリビングから見えない造りです。
タモを使った突板張りの天井は、昭和木材ならでは。ホワイトで統一された空間に、木の温もりを添えています。
左/リビング・ダイニングのスペースを十分確保するため、キッチンは壁面に設置しました。
右/キッチンのならびがカップボードの裏側にあたり、家電収納と、食品保冷庫を設置しています。
LDKの全景です。ダイニングテーブルは、昭和木材の造作によるオリジナル。昭和木材の旭川工場で実際に天板を見学し、ご夫妻で決めた思い出の品です。
このほか2階には、3帖の書斎と4帖の子ども部屋を用意。書斎は、勉強部屋として活用、子ども部屋はベッドを置く予定です。
将来子どもが巣立ったあと、ほかの使い方ができるようにと、よく考えられたプランです。クローゼットも無くすことで、省スペース化が実現しています。
Nさんご夫妻にお聞きします
Q お家のイメージは何を参考にしましたか?
ご主人 昭和木材さんに、オーナーさんのお宅を5~6棟くらい見せてもらいました。モデルハウスは、キレイな反面、生活感がないところもありますが、オーナーさんのお宅は、リアルな暮らしの様子がイメージできるという意味で、大変参考になりました。
奥さま Instagramでいいなと思ったものを保存して。たまに印刷して昭和木材さんにお渡ししたこともありました。一番こだわったトイレも、インスタの情報を参考に決めました。
収納は木材を使わない案もありましたが、林さんから「木目の方が素敵になるよ」と助言をもらい、造作してもらいました。インスタで見たものよりも素敵で、とても気に入っています。
Q 林さんにお願いしてどんなところがよかったですか?
奥さま 階段下収納は、通常よりも段を低くして段数を増やした方が、収納しやすい形になると提案していただきました。ほかにも、いろいろアドバイスいただいたり、わたしたちの要望をよりよくまとめていただいたりして助かりました。
林さん 階段下収納は、もしかしたら将来、書斎みたいな感じで使えるかなと、机になるように棚板を設置しています。(ほかの場所も含めて)丁寧に使ってもらっていて、嬉しいです。
【記者の目】
「シンプルかつメンテナンスしやすい家」を目指して。Nさん夫妻の情報収集力と、その要望に応え、27坪という限られたスペースを最大限に活用する林さんの設計力の高さを感じた取材でした。
木の魅力を存分に引き出す昭和木材の技術とこだわりが、居心地よく温もりある家を形づくっていました。
2024年04月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。