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東川町の魅力に惚れ込んで横浜と2地域居住!暖かい家から眺める雪明かりに感激 小岩組


2015年に東川町に家を建て、職場や自宅のある神奈川県から東川町に夫婦で通う二地域居住を実践する山﨑夫妻。東川町での暮らしがどんどん楽しくなって、今では神奈川から東川町の自宅に着いた時に「ただいま」と思わず言ってしまうほど東川町、そして東川の我が家にすっかり馴染んでいます。お二人に、いったい東川の魅力は何なのか、そして家作りについても詳しくお話を伺いました。

70坪でも狭い?東川の家は大きめが普通



山﨑邸は土地の大きさが約70坪です。首都圏なら建売住宅の敷地面積は30坪台が平均だったりしますので倍以上の広さですが、実は東川町民の「常識」からすると70坪は狭いそう。東川町内の分譲地は大半が100坪を越えていますし、施工会社である小岩組の小岩社長も「こんなに狭い土地で良いの?」と当初は驚いたそうです。さすがに北海道のほぼ中央に位置し、北海道最高峰「旭岳」も町内にあるという大自然に恵まれた東川町。土地も家もゆったりサイズで建てる人が多いのです。

しかし神奈川で暮らす山﨑夫妻にしてみると、これでも十分広い。町内でも買い物や近所付き合いがしやすい市街地で、土地代も国産車が1台買える程度の値段だったこの土地をあえて選び、家づくりを開始しました。

札幌から遊びに来た友人もこのお家で過ごして「十分広い」と感想を残しています。山﨑夫妻もこの広さで十分快適に暮らしています。まずは、移住者にとって十分過ぎるほどに広い土地が驚くほど安く手に入る。それが東川町の魅力の一つのようです。

東川は通過地だった?



この方が最初に「東川でも暮らそう」と言い出したご主人。東京で会社経営の仕事もされている山﨑保継さんです。



なんと、月に一度は週末に仕事を終えると羽田空港から旭川空港を経由して東川町の自宅にやってきて、週明けの火曜日の朝1便で東京のオフィスに向かい、昼には東京で働くというライフスタイルを続けています。「神奈川の自宅から東京の職場に通うのに片道2時間。東川の自宅から東京の職場に通うのは3時間。さほど変わらないですよ」とのこと。「何よりも東川に来てジョギングしたり、美味しい食事、美味しい水を味わったり、自然を満喫すると、仕事の疲れも吹っ飛び、最高の気分転換になります」と嬉しそうに話してくれました。

東川町は大雪山からの雪解け水に恵まれ、北海道で唯一、上水道の無い町です。ミネラル豊富な水で美味しいお米が作られるほか、各家庭でもポンプで水を汲み上げ美味しい水を飲んでいます。水道代もかかりません。



この方が奥様。絵本作家の山﨑優子さんです。お二人はもともと北海道の大自然が大好き。3人のお子さまが小さい頃から、車にキャンプ道具を積み込んで、20年近く、毎年のように神奈川から東川町周辺のキャンプ場や旭岳にやってきてはアウトドアを楽しんでいました。東川の豊かな自然を満喫し、毎年通ってはいましたが、東川町の市街地に立ち寄ることはほとんどなく、当時の山﨑さんファミリーにとって、東川町は一時的な滞在地であり、通過地に過ぎませんでした。

きっかけは「絵本」と「君の椅子」

東川移住へのきっかけは、優子さんが描き、2009年に至光社から発行された絵本『るすばんいす』でした。



この写真は優子さんがこれまで書いた絵本の一部です。そしてこの一番左上にある絵本です。『るすばんいす』は自宅の窓辺の西日の中で家族の帰りを待つ椅子を描いた絵本です。
この絵本を発表した後、優子さんは東川町で進められている「君の椅子プロジェクト」を新聞記事で知ります。誕生する子どもを迎える喜びを地域の人々で分かち合うため、地域の無垢材で東川町の家具職人が心を込めて椅子を作り、赤ちゃんに贈るプロジェクト...

感銘を受けた優子さんは、記者に「椅子を贈られた家族、そして椅子もきっと幸せ。素晴らしい取り組みですね」という趣旨のお手紙を書きました。
君の椅子プロジェクトのイベントに参加した際には、東川町役場の職員とも出会い「キャンプや登山で何度も東川を通過しています」と話したところ「ぜひとも東川にしっかり滞在してください。待っていますから」と声をかけられました。

東川町がアウトドアで遊びに行く場所から、誰かに会いに行ったり、滞在する目的地に変わり始めた瞬間でした。

なぜか気持ちが良い町。住むべき町だ!

「いす」がきっかけで東川町役場に縁ができ、夫婦で役場を訪問したところ、町職員からの大歓迎が待っていました。東京で働いていると話すと「旭川空港からすぐだから通いやすい」と説明され、東川町独自の「東川株主制度」に加入すると、宿泊施設の無料利用や優待商品のプレゼントがあってますます東川への関わりが深まっていきました。

遅い時間に東川町に到着しても町職員が宿泊施設を案内してくれたり、町職員の気配りが東川町でのニ地域居住のきっかけになったのは間違いありません。それまで一度も冬の東川には滞在したことがありませんでしたが、町職員に勧められて冬も滞在したところ、雪景色の美しさにも感激。さらに東川が好きになっていきました。

登山をしようと東川に来たある夏の日、天候が回復せず、町内でジョギングをしながら保継さんはふと考えました。「東川にいるとなぜこんなに気持ちが落ち着くのか。街中に観光施設があるわけでもないのになぜか来たくなる。もしかするとここは遊びに来るところというよりも、暮らしてこそ、その良さを実感できる。身を落ち着けるべきなのではないか...」

地元の住宅会社に頼みたい

そう思った保継さんは家に戻って優子さんに開口一番「この町は住まないとダメだ」と宣言。優子さんは大いに驚きましたが、元々優子さんも北海道での暮らしに憧れていたため、一気に話は進みました。

早速不動産屋さんに相談して土地を購入。分譲地に見学に行くと小岩組のモデルハウスがありました。積雪寒冷地の東川町でどうやって快適な暮らしを実現させるかと考えれば、全国大手ハウスメーカーなどよりも、町内の住宅会社があるなら地元で頼みたいと考えました。



当時を振り返る、小岩組代表・小岩昭市。代表への優子さんの要望は「どんな住み方をしたくなるか分からないのでとにかく部屋を区切りたくない」でした。

夫妻が東川を訪れた時に打ち合わせを重ね、プランを一緒に考えていきました。



優子さんの要望を踏まえ2階はこんな間仕切りのない空間に。お友達が泊まりにくると、ココにテントを2つ張って、室内のキャンプ生活を楽しむのが大人気です。



これは保継さんのワークスペース。ネット環境も完備なので、東京の仕事を東川でこなすこともできます。

そして、ここの窓に秘密が...

この窓から、旭岳が見えるのです。

また、ご主人が東京に行く時には別の窓から飛行機が見えるのでお見送りもできます。



優子さんもこの家で絵本制作を行っています。



東川町で初めて雪のある暮らしを体験したという優子さん。その経験を絵本にも活かしたところ、東北や北陸の人から、雪のある暮らしがしっかり描かれていると反響もありました。



一階には主暖房の薪ストーブがあります。耐熱用の石材は石屋さんに相談して半端な材料を組み合わせて施工。コストを抑えながら素敵なデザインを実現しました。

右側にある床面から立ち上がる小窓がポイント。冬にはここから雪景色、そして室外照明が映る雪景色を眺めること、そして薪ストーブの炎を眺めるのが優子さんの楽しみです。



手入れが行き届いた庭。

リビングと庭を一体にしたプライベートスペースになるように設計されています。



二地域居住なので毎日生活しているわけではありませんが、東川産のお米や野菜などを使った料理や家事もできるようにキッチンやユーティリティも充実しています。



高性能断熱材で住宅を外側からすっぽり覆う外張り断熱工法=SHS工法を採用し建設したことで、室内では冬の寒さに困ることが全く無いといいます。

「うっかり薪ストーブを長く焚いていると、家の中で汗をかきます。北海道の人が冬に半袖でビールを飲む理由がわかりました。断熱の良い住宅に住むと家は暖かい。むしろ関東の家の中のほうが冬に寒い思いをします」とご主人。奥様も「そういえば夏も冷房が必要ありません。外が暑くても室内は涼しいから」と話してくれました。

東川生活を満喫

神奈川と東川町で二地域居住を実現するという選択肢が浮かんだ頃に夫婦で話し合ったのは「東京オリンピックを東川で見よう」でした。
2020年になれば何かと東京は騒がしい。それまでに二地域居住を実現させようと思っていたところ、東川町役場や不動産会社、そして小岩組との後押しもあって、二地域居住の計画はどんどん進み、2016年のリオオリンピックも東川で見ることができました。



東川に住んでみると、ご近所さんが大根やネギ、フキやウドなどをおすそわけしてくれたり、楽しいご近所付き合いも広がりました。お隣の家には天然記念物のイチイがあり、眺めるだけでも幸せな気持ちになります。

旭川からの終バスは22時発なので、夫婦で朝から旭岳登山を楽しみ、その後旭川のビアガーデンでビールを飲んだり映画を見て、終バスで帰ってくることもできます。札幌からも20時台にJR特急に乗ればその日のうちに帰宅できます。


キトウシ森林公園からの東川町の眺めです。見渡す限り水田が広がる田園地帯。奥には十勝岳や旭岳などの山々。


こんなに楽しい東川生活を送っていると、海外旅行に行きたいと思わなくなりました。

「東川に来るだけで凄く満足できる。東川には全てがありますよ」と保継さんが言えば、優子さんも「東川に移住して北海道でもっと遊ぼうと思っていましたが、思えば自宅で雪明かりを眺めたり、庭に花を植えたりと、自宅がそもそも楽しいので、出掛けなくても十分楽しいです」と話してくれました。

絵本作家・山﨑優子さんのウェブサイトはこちら

北海道移住の体験談を更に読みたい方はこちらもどうぞ。
北海道に移住し家を建てた人の体験談まとめ12



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