家づくりの窓口となる「担当者」は、われわれユーザーにもっとも身近な人です。プランから施工まで、長い時間を共に過ごす担当者と「いい家づくり」を共感できるか否かは重要なポイント。特に「女性担当者」が家づくりに関わるとちょっといいことがあるようです。各社の女性担当スタッフに話を聞いていきます。
今回はイネスホーム(株)インテリアコーディネーター斎藤文恵さんです。
稚内生まれ。高校卒業後、12年ほど事務職で札幌の企業に勤務するが「自分にあった本当の仕事を見つけたい」と夢みる。ある時、友人との話がきっか けでインテリアコーディネーター養成の専門学校夜間部に入学。2年間、働きながら学校に通う。卒業後にイネスホーム入社。勤続9年。趣味はドライブと太極拳。
家づくりには女性の感性が不可欠!
「男が家づくりをすると、性能・品質・機能重視の男の家になるものです。いわゆる左脳的家づくり。その点、女性はイマジネーションや感性、右脳的家づくりができるのです」。同社の塚本誠社長は、これまで男社会と呼ばれてきた建築業界において、今、女性ならではの感性や発想の能力に可能性と必要性を感じています。同社では数人の女性スタッフが現場の第一線で活躍しています。住まいの「ちょっとプラス」提案

内装や家具の配置など、視覚的に空間を演出するのが主な仕事内容に思われがちなインテリアコーディネーター。実際には、お客さまの希望に耳を傾け、デザイン性、実用性、安全性を熟慮。決められた予算内で形にしていく柔らかな感覚と多角的な視点が要求される仕事です。
「私は子供の頃から色々なことによく気が付く子でした。音楽や飲食店系の雑誌からヒントを得るなど日頃からアイデアを集めていますが、自分の趣味を前に出すのはモデルハウスの時だけ。家はお客様が住む場所ですから、お客様が良いものが一番です」と斎藤さん。
イネスホームの全社員で決めたキャッチコピーは『ちょっとプラス』。壁の余白に飾り棚をしつらえたり、窓の配置に工夫を凝らしたり、ユーザーの好みやライフスタイルによって形を変える『ちょっとプラス』。そんな斎藤さんの提案する『ちょっとお洒落、ちょっと贅沢』なプラスαにお客さまの満足度は上がって います。
男性社会に飛び込んで
OLを経て、かねてから興味のあったインテリア系専門学校を卒業。夢を追いかけ、男性の多い住宅業界に飛び込んだものの、はじめから順調に仕事ができたわけではありませんでした。「大工さんたちに、私の意図を上手く伝えられず目に涙をためたこともありました」。
現在はインテリアコーディネーターと建築士、女性の目線を活かし、同社の設計のほとんどを斎藤さんが手掛けています。その際、現場の大工さんたちを説得しなくてはならないケースが出てくると言います。
「例えば、施工しやすい窓配置と、シンメトリー(対称)となるようなデザイン的に美しい窓配置とは異なるものです。そのような時には、作った図面を前にお客様と十分に話をして共感しあえたら、大工さんに前もって伝えます。とくに大工さんには言葉ではなかなか納得してもらえないので、必ず図面に起こします。そして、建築中にも図面通りかどうか必ずチェックします」。
常にユーザー目線で、実現したいアイデアを考え、図面に落とし込み、ユーザーと大工に丁寧に説明し、共感を得ながら仕事を進めていく。どうして も深夜まで働くことも多いという斎藤さんに、今では大工さんも一目置くようになり、塚本社長も気遣って手づくりの夜食を振る舞ってくれることもあるようです。「よくお客様に、社員のみなさんは仲がいいですね、と言われます」と斎藤さん。
「好きな家」を見つける方法

2009年05月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。