子育て世代が暮らしやすい家づくりで、札幌を中心に人気を集めるイネスホーム。女性スタッフによるプロデュースで、使いやすい家事動線や収納計画を実現しつつ、カフェやリゾートのような心弾む住空間を提供しています。
この春、新たにモデルハウス「slow+(スロウプラス)」がオープンしたと聞き、プロデュースを担当したイネスホームの阿部穂花さんにお話をうかがいました。
※公開は2020年11月29日をもって終了※
目次
デザイン・コンセプトは北欧デンマークのヒュッゲな暮らし
「今回のデザイン・コンセプトは『デンマークのhygge(ヒュッゲ)な暮らし』です」と阿部さん。
デンマークは日照時間が短く夜が長かったり、ここ北海道と同じく冬は雪に閉ざされるため、家で過ごすことが多いという特徴がありますが、世界幸福度調査で上位にランクインしてる国です。
その理由の1つにあげられるのが、デンマークの人たちが実践するhygge(ヒュッゲ)です。ヒュッゲとは暮らしを豊かにするために、ホッと寛げる心地よい時間や、そんな時間をつくり出すことによって生まれてくる幸福感や充足感、そうした暮らしそのものなどを現した言葉なのだそう。
「slow+(スロウプラス)」が提案するヒュッゲな暮らしとはどんなものなのでしょう。白を基調とし、ピンクやグリーンのアクセントカラー、アイアンや真鍮をバランス良く合わせた海外風インテリアにも注目です。
家族や友人との時間を楽しむ幸せ
「slow+」のキッチンはオープンな対面式で、横並びにダイニングのある配置になっていて、配膳や片づけもしやすい造りです。大人数で料理をつくったり、親子でクッキングや、パパの家事参加もしやすいプランになっています。
家族で過ごす時間はもちろんのこと、友人や近所の人たちを気軽に招いて、食事や会話を楽しむことが多いデンマークでは、ホームパーティーも多く、料理をするところからの参加が普通なのだそう。そうした集まりにもピッタリなダイニング・キッチンになっています。
時間の流れや自然を感じる暮らし
リビング続きには、インナーテラスを設けました。庭に出入りができる大きな窓のほか、腰窓と吹抜窓があり、日差しが降り注ぐ明るく居心地の良い空間です。
阿部さん「吹抜の窓からは、日中は空や雲、夜には月を眺めることができ、屋外の様子や時間の流れが自然と感じられる空間を心掛けました。チェアに座って読書をしたり、テーブルセットを置いてティータイムやお酒を楽しんだり、植物を置いてガーデニング・コーナーにするなど、お客さまの好みに合わせた使い方で、暮らしを豊かにしてくれるプラスアルファの空間を提案しています」。
インテリアの工夫で心地よい空間づくりを
インテリアプランについてたずねると、「今回は家具が入るまで、本当にどうなるか不安でした」と阿部さん。前回のモデルハウス「fille+(フィーユプラス)」の内装が明るい色で統一されていたのに対し、「slow+」は濃いブラウンを梁や柱に使ってアクセントにしています。
阿部さん「海外のインテリアでよく見かける、テイストを揃えすぎず、色々なモノを取り入れているけれど全体に統一感があるような手法を採用しました。デンマークのインテリアは白がメインですが、「slow+」では各所にペールトーン(淡色)とダークトーン(暗い色)を使ったり、照明器具や取っ手などにも黒のアイアンと真鍮を使い分けるなど、たくさんの要素を全体のバランスを考えながら取り入れ、統一感のあるコーディネートを目指しました。とても難しかったですが、家具や照明器具がすべて収まると、不思議と落ち着く空間になり、ホッとしています」。
左/玄関ホール。温かみのある無垢のフローリングにヴィンテージ感漂うグリーンのリビングドアが空間の引き締め役に。
右/ゆったりサイズの洗面化粧台はホワイトをベースにした北欧らしいデザイン。シックな印象のタイルはリビングの床材とリンクするイメージでヘリンボーン状に貼っているそう。床は全体的なカラーイメージに合わせたタイル風のクッションフロア仕上げ。遊び心がありつつ統一感のあるコーディネートには脱帽です。
淡いピンクの壁を背にした家具風収納は造作によるもので、収納力もあるためスッキリと過ごせそう。「好みの雑貨やお子さんが描いた絵を飾るなど、ディスプレイを楽しんでいただける場所としてもご提案しています」と阿部さん。
リビングの床はナラの無垢材を斜め45度に貼り、クリア塗装で仕上げたこだわりポイント。自然素材を使った飾らない雰囲気はそのままに、空間にリズミカルな印象を与えています。
キッチンの腰壁にはモールディングを施しました。スッキリとした上品な装飾が白で統一した壁面によく似合います。
「子育て目線」のプランニングが基本
LDK全体が見渡せるキッチンや、家族の行き来を見守れるリビング階段は、イネスホームが子育て世代に向けてプランニングする際の基本要素です。
リビングの吹抜は明るく伸びやかな空間をつくり、上下階でも家族が互いの気配を感じられるのも魅力です。
リビング続きの洋室は、子どものプレイルームや来客用の客室として使うことを想定しています。子どものおもちゃや着替え、客用布団なども収まる大容量の収納も完備しています。
玄関には土間続きにシューズクローゼットをプラン。ベビーカーや三輪車なら十分に収まるスペースになっています。インテリア性の高い有孔ボードの壁面は、趣味の道具や、上着、子どもの遊び道具、傘など、掛ける収納としても重宝しそうです。
2階のホールには本棚とベンチにもなる収納をプラン。「ベンチ横の本棚下段は、お子さんの手が届くように高さを設定しました。寝る前の絵本の読み聞かせにも適したスペースになっています」と阿部さん。目的ごとに過ごすスペースが変化するのは、子どもの生活リズムをつくることにも役立ちそうです。何より、こうしたとっておきのコーナーがあるということが、ヒュッゲな暮らしにつながりそうです。
2階子ども部屋は将来2部屋に仕切ることもできます。あえて収納などを設けず、広さを確保。
デンマークのヒュッゲをイメージした新モデルハウス・slow+(スロウプラス)は、子育て世代が家で過ごす時間をより楽しく、より豊かにしてくれる工夫と提案がいっぱいでした。
2020年05月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。