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施主の想いとプロの提案、両輪でつくる省エネ住宅 旭川市M邸/藤井光雄工務店


M邸は、旭川市の静かな住宅街に建っています。木の温もりが伝わるこの家は、自然素材を活用した高断熱・高気密住宅を得意とする藤井光雄工務店が手掛けました。
暮らしているのは、共働きのご夫婦と3人の娘さんです。以前住んでいた賃貸の平屋が手狭になり、マイホーム建築を決めました。
今回は、Mさんご家族に藤井工務店との家づくりについてお聞きします。

除雪がしやすい建物の配置に



約155坪の広い敷地。建物は道路に対して斜めに建てられています。効率的に除雪するために、除雪機で雪を飛ばす方向や場所を考え抜いたご主人の希望によるものです。太陽光発電パネルの採光や、近隣の住宅と視線が合いにくい角度などにも藤井社長の配慮が感じられます。

冬はストーブ1台で家中あったか


玄関は、5人家族が使いやすいように十分な広さを確保


M邸は玄関に置かれたペレットストーブ1台で、1階も2階も暖めてくれます。これを可能にするのが、藤井工務店の高断熱仕様。壁の断熱材は標準仕様で厚さ30cmと、高い断熱性能を誇ります。


奥行きが断熱材の厚さを表している窓台


高い断熱・気密に加え、太陽光発電を組み合わせたZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)仕様だから、自家発電で電気代を安く抑えられるのも魅力です。



靴だけではなく、スキーなども収納しておける大容量のシューズクロークを抜け、手洗い場、トイレが続く動線です。

1階はストレスのない家事動線を実現



広々とした21.6帖のLDK。カラマツの柱とナラの床、ホタテの貝殻を使った塗り壁といった自然素材にこだわっていることが特徴的です。以前から使っているちゃぶ台や家具がナチュラルな住空間になじんで、新築とは思えない落ち着きを感じさせます。



5帖の和室は、明るい光が差し込む大きな窓が特徴です。いずれは、庭に植えたアオダモの木がカーテンとなり、木漏れ日が降り注ぐようになるそう。そうなれば「森に近い場所に住んでみたい」という奥さまの願いも叶います。普段は、お子さんたちが読書したり遊んだりする憩いの場です。



キッチン横には「作業しながらお子さんと話せるように」という奥さまの要望で設置された造作のカウンターテーブルが。お子さんの宿題やちょっとした作業にも大活躍しています。



キッチンやカップボードは、寸法や引き出しの数、形状まで細かな要望が反映されています。作業台の奥行は90cmを確保し、カップボードとの距離にもゆとりをもたせることで「作業しやすくなり、家事のストレスがなくなりました」と奥さま。細部まで要望を取り入れた造作キッチンが叶うのも、藤井工務店の魅力です。



キッチン奥のランドリールームには、蓄電池が設置されています。夏場は、太陽光発電の電気を使いつつ、余った電気を蓄電・売電する運用です。



ランドリールームとリビングから出られる外のウッドデッキは、家事のストレスが大きく減ったポイントになっています。多少の雨ならデッキ上の屋根が防いでくれるため、干しっぱなしでも安心なのだそう。
この屋根は藤井社長の提案。ただ、お客さまの要望をつなぎ合わせるのではなく、プロの目線から価値を高める設計をする、これが藤井社長のこだわりです。

子どもたちの読書スペースとロフトがある2階



2階の共有スペースには、腰壁に沿って本棚が設置されています。読み聞かせで育ち、本が大好きな姉妹は、共有スペースや自分の部屋で読書を楽しんでいます。


子ども部屋の前には家族共有のデスクとキーボードが。家族みんなが自由に使える場になっている



こちらは4.5帖の子ども部屋です。学習机は奥さまとその弟さんが子どものときに使っていた思い出の品です。



左/居室はクローゼットの役割も兼ねたロフト付き。
右/斜め天井の2階のトイレは「これまた居心地がいいんです」とご主人。

家づくりについて、ご夫婦にお聞きします

藤井工務店とは、どのように出会ったのですか?



奥さま さまざまな住宅会社の見学会に足を運ぶ中で、藤井工務店に出会いました。実際に依頼するまでに10回は見学会に行ったと思います。
自然素材に包まれた温かい雰囲気や、高い断熱性能と太陽光発電による省エネ仕様など、藤井工務店ならではの家が、自分たちの理想の暮らしを叶えてくれると感じていました。

ご主人 実は、家を建てると決めたものの何から始めればいいかがわからず、見学会で藤井社長に相談したんです。まだ藤井工務店に決めていたわけではないのに、初歩的な質問にも真摯に答えてくれたのが印象に残っています。そうした人柄も、藤井社長に任せたいという想いにつながったと思います。

土地選びのポイントは?


経年で節が抜けにくいとされるカラマツの総板張り


ご主人 家を建てようと思ったとき、長女は小学校高学年で、環境が変わるのはどうかなという話になりました。子どもたちのことを考えた結果、最終的には同じ地域で土地を探すことにしました。

奥さま 広い庭に憧れがあって、「森のような場所に住みたい」という想いもありました。ただ、藤井さんにいくつか候補地を見ていただく中で、たしかに森のようではあるものの傾斜地が多かったり、柳の木ばっかりなど、家を建てるには不向きな土地だとわかりました。

ご主人 藤井さんから「自分たちの手で庭を森に育てていくのもいいんじゃないですか」と助言をいただいて、それもいいなと。それで、この土地に決めたんです。

藤井社長 うちの事務所がまさに20~30年かけてつくった森のような庭なので、イメージを持てていただけたのではないかと思います。

家づくりはどのように進めましたか?



奥さま 見学会で藤井さんの施工例を参考にしたほかは、WebサイトやSNSから情報を収集しました。外せない要望はスライドにまとめて、藤井さんに渡しました。

ご主人 ただ、わからないところや決められないところは藤井社長にお任せしました。

藤井社長 たとえば、M邸は和室の幅が狭い造りです。これを広く見せるために、あえて収納の下に空間をつくり、窓を設置したんですね。「和室が欲しい」という要望を踏まえて、細かく提案させていただいています。

住み心地はいかがですか?



奥さま 以前の家と暖かさの質が全く違うことに驚いています。

ご主人 ペレットストーブの火のゆらめきが心地よくて、冬はついボーッとストーブを眺めてしまいます。身体も心も暖めてくれる家に大満足です。これからは、自分たちの森づくりを楽しむ予定です。


Mさん提供写真


藤井社長 最近、ご家族でわが家の庭を見に来てくださったので、増えた植物を少しお分けしました。家とともに、庭が育っていくこれからの時間も、共有できたらと思っています。

【記者の目】

Mさんの「こう暮らしたい」という想いを、藤井社長が受け止め、より豊かな形にしていく。M邸は、そんな信頼関係から生まれた、心地よい住まいです。この関係は、建ててからの暮らしを楽しむパートナーとして、未来へと続いていきます。

写真 スタジオスーパーフライ 大道貴司
記事 日比野千尋


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株式会社 藤井光雄工務店の取材記事