Story 取材記事

狭小地でも心地よく暮らすコンパクトな住まい 札幌市/アシストホーム


札幌市の地下鉄麻生駅から徒歩圏内に、延床面積30坪未満のコンパクトなモデルハウスが、2026年3月に2棟完成しました。



写真左側のホワイトの外観が「CASE27.5」、右側のブラウンで玄関部分に庇を設けているのが「CASE24」。
どちらも外壁にはガルバリウム鋼板を採用し、シンプルでモダンなデザインになっています。

設計・施工を手掛けたのは、札幌市北区に事務所を構えるアシストホーム(アシスト企画)。暮らしを守る確かな断熱性能と、10年20年先を見据えた長く愛されるデザインに定評のある地元密着の工務店です。

それぞれの異なるコンセプトに沿ってプラン

2棟のモデルハウスは、地下鉄駅徒歩圏内という利便性の高い立地。あえて延床面積を30坪未満に抑えることで、住宅価格を賢くコントロールしながらも、窮屈さを感じさせない豊かな暮らしを提案しています。

さらに、それぞれ異なる暮らし方を想定し、以下のコンセプトに沿って、プランが組まれています。

■CASE27.5「余白を楽しむ、コンパクト以上の暮らし」

2階に22帖超の広々としたLDKを配置。内窓のある書斎や、作業台のある「キッチンスタジオ」など、趣味やこだわりを楽しむ「余白」のあるプラン


1階


2階


■CASE24「賢く建てて、豊かに暮らす」

24坪という最小限のサイズに、1階リビングや庭を確保。無駄を削ぎ落とした効率的な空間づくりで、居心地の良さを追求したプラン


1階


2階


アシストホームの営業担当・清水未来さんに案内していただきました。まず、CASE27.5を拝見していきましょう。

大きな開口部を設けた明るく開放的な2階リビング



CASE27.5は30代以下の若い世代をターゲットに、女性の設計士がプランニング。女性らしいやわらかな雰囲気のインテリアが特徴です。LDKを2階に配し、窓の外を遮るものがなく、明るく開放的な間取りになっています。


左:オープンな LDK/右:造作カウンターを備えた書斎


床材は、ブラックチェリーの突き板フローリングを採用。リビングの一角には、内窓で緩やかにゾーニングされた書斎が。扉で完全に仕切らない形にすることで、憧れの書斎を叶えました。



天板や吊戸棚の扉、壁面タイルを全てホワイトで統一した清潔感のある壁付けキッチン。その向かいに広々とした作業台を設けました。キッチンスタジオのように家族や友人と一緒に料理が楽しめます。



作業台は、BEAL社(ベルギー)が開発したデザインコンクリート材「モールテックス」仕上げ。薄塗りでコンクリートの約5倍の強度があり、防水性にも優れています。職人が手作業で独特のムラ感を生み出し、モダンでスタイリッシュな雰囲気です。
作業台下の両面には収納棚を造作し、機能性も充実。



キッチンから見て右手には、大容量のパントリー兼リビング収納が。必要な場所に必要な大きさの収納を備えていることもポイントになっています。


左:高窓から日光が降り注ぎ、円形のミラーがおしゃれな洗面化粧台/右:ユーティリティーには室内干し用のハンガーパイプと洗濯物を畳むのに便利なカウンターを設置


キッチンの奥には、造作洗面化粧台とユーティリティ―をプラン。この他2階には浴室とトイレがあり、水回りをまとめた、家事がしやすい間取りになっています。



リビングから階段を下りると、自然光が差し込む明るい玄関に着きます。玄関框は職人技が光るアール型に。住む人も来客も思わず見とれる優雅な空間です。



玄関ドアから入って右手には、シューズクロークを備えています。



可動棚と有孔ボードで自由度の高い収納を実現。フックを使って帽子や上着もラクにかけられ、場所を取りがちなアウトドア用品もまとめて置くことができます。



1階は主寝室のほか、子ども部屋、トイレ、空調室があります。子ども部屋は、将来2つに分けることも可能です。

次に隣のCASE24をご覧いただきましょう。

狭小地でも1階リビングと庭を諦めない家



CASE24は男性の設計士が手掛け、ターゲットを絞らずに機能性と居心地の良さを追求したプランになっています。木のぬくもりが感じられるクールで洗練されたインテリアが特徴です。



写真左/玄関は左手にシューズクローク、右手には腰掛けやすいベンチを備えています。

写真右/玄関を上がってすぐ左手に、木製の格子間仕切りを設けた造作洗面化粧台があります。



奥へ進むと、吹き抜けの開放感あふれるLDKがあります。吹き抜けの太い梁がアクセントに。



大きな窓の向こうには小さな庭があり、ウッドデッキを備えてアウトドアリビングとして活用することもできます。



床は、アカシアの突き板フローリング。素足で過ごしたくなる感触が魅力の無垢材で、一枚一枚違う色合いと木目が味わいを増しています。



LIXILの壁付けキッチンは、タッチレス水栓や食洗機を備え、機能性も重視。背面には広々として作業がしやすい収納一体型のキッチンカウンターも。



通路に面したキッチンカウンター背面には扉付きの収納棚を造作しています。



キッチン→ユーティリティ―→浴室を一直線上に配した家事ラクが叶う間取りに。



吹き抜けは、近隣との視線を外した位置に窓を配置。自然光が差し込み、十分な明るさを確保しています。


2階トイレはタンクレスのため、別に円形のミラーが付いた手洗い場を設置


2階に上ってすぐ右手には手洗い場を設けました。さらにトイレ、ウォークインクローゼットが続き、廊下の突き当りに主寝室があります。この他、空調室と子ども部屋を2つ設けています。



主寝室には造作カウンターや、大容量のウォークインクローゼットを備えました。

標準仕様の全館空調YUCACOシステムも必見


左:CASE27.5は壁に、CASE24では天井に配管を通している


アシストホームが標準仕様で設けている冷暖房設備のYUCACOシステムは、1帖ほどの空調室で管理されており、1台のルームエアコンで暖冷房された室内の空気が外気とミキシングされ、換気口を通って室内に設けられた床ガラリから供給される空調システムです。



YUCACOシステム公式サイトより

1年を通して、全室快適な室温を保つことができて、夏の暑さが厳しくなっている北海道でも注目の全館空調です。

コンパクトな住まい+暮らしの豊かさを提案

アシストホームは、注文住宅づくりと並行して10年以上前から延床面積30坪の建売住宅を販売する中で、よりコンパクトな住まいへのニーズがどんどん高まっていると感じていたそう。

清水さん こちらのモデルハウスは、コスト面の追求だけでなく、暮らしの豊かさを提案しています。
この2棟を比較することで、「広々としたリビングで趣味を楽しむ」または「コンパクトにまとめた効率的な暮らし」どちらのスタイルが合うかを体感できるようになっています。ぜひ、現地でその違いを比べてみてください。

【記者の目】


CASE27.5の玄関ホール


限られたスペースをどう活用すれば、住む人が豊かに暮らせるか、2人の設計士の想いがカタチになったモデルハウス。機能性はもちろん、こだわりの空間設計や職人技が光る造作には一見の価値ありです。実際に足を運んで、ご覧ください。

モデルハウスの詳細・見学予約についてはこちら


2026年04月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

新住協(新木造住宅技術研究協議会)

新住協(新木造住宅技術研究協議会)

「誰もが良質な住宅を求められる社会を目指す」

新住協(新木造住宅技術研究協議会)は、木造住宅の性能向上を目指す民間の研究機関。会員数は900社を超え、北海道から始まり全国に広がった日本最大級の工法研究団体です。

代表の久保田淳哉氏、創立者で会長の鎌田紀彦氏が中心となり、家づくりの担い手である工務店や設計事務所と協力して、省エネルギーで安全な住宅デザインと建築技術を開発し、基礎工法、軸組構造、間取りづくりといった開発技術は、住宅づくりを大きく変えてきました。

発祥の地である北海道・東北は、鎌田氏とともに高断熱・高気密住宅の黎明期から暖かい家づくりを続ける多くの会員がいます。

現在は、暖冷房燃費が現行基準の3分の1以下で済む、同会が推進する超省エネ住宅「Q1.0(キューワン)住宅」をベースに、カーボンニュートラルに向けた取り組みを進めています。