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木製のDIY物置や、防災対策になる「離れ」を手頃な価格で/札幌・シノザキ建築事務所

最新の断熱・気密技術を使いながら、自然素材を積極的に採り入れ、「先人の知恵」を生かした長く愛着の持てる家を提案する札幌市西区のシノザキ建築事務所。物置「storage」や断熱・気密・耐震性とも最高レベルの離れ「shelter」の2製品からなる「waku(枠)-project」を開発しました。今年(2021年)販売を開始しました。


完成した「storage」


強度が高く水にも強い屋久島地杉(やくしまぢすぎ)の枠に同じ屋久島地杉合板をはめた「waku」を1ユニットとして組み立てるため、組立が簡単。断熱施工をしない「storage」は気軽にDIY施工ができます。断熱・気密施工が必要な「shelter」は大工が責任施工します。こちらはUA値0.25W以下、耐震等級3相当。断熱性・耐震性ともに大半の新築住宅を上回る性能で、防災シェルターとしても活用可能です。

屋久島地杉を使った物置を家族でDIY



2020年夏にはモニターに選ばれたIさん邸で「storage」の完成見学会が行われ、ご自身の手でつくった物置とウッドデッキ、薪棚を見せていただきました。

Iさん邸のお庭です。右側がシノザキ建築事務所で建てたマイホーム。物置のほか、ウッドデッキや薪ストーブ用の薪を収納する棚も自分で作りました。

これまでも、オーナーさんから「庭に小屋を建てたい」「家に合う物置が見つからない」といった相談を受けていたというシノザキさん。木の外装をふんだんに使った住まいと調和した手作りエクステリアは人気を呼びそうです。

道具はインパクトドライバーだけでOK



マイホームを新築して半年経ったIさん。外構づくりをシノザキさんに相談した中で今回のDIYモニターを提案され、やってみることに。
組み立て方はシンプル。「waku」を、市販の電動インパクトドライバーで組み立てていきます。基礎部分は大工さんにお願いしながら、「STAY HOME」だったゴールデンウィークなどの休日を使って組み立てていきました。



物置の外壁にも屋久島地杉を使用しています。

耐久性や強度も重視した設計



この物置の屋根は、札幌の雪の重さにも耐えられるよう強度もきちんと設計されています。



物置にはベビーカーや工具などを保管。天井部分には、アタッチメントを取り付けて冬しか使わない除雪用具を収納していました。これから棚板も付けていく予定だそうです。



自作のウッドデッキでくつろぐIさんと娘さん。「ここで私はビールを飲んだり、子どもたちはお菓子を食べたりしていますね」。今までもDIYでお子さんの机やいすをつくったことがあります。今回の物置づくりについて、「大変だったけれど、そのぶん楽しかったですよ」と充実した表情を見せてくれました。

Iさんの「storage」DIY体験記

DIYの過程をSNSにアップしていたIさんの画像を、ご本人の許可をいただいてIEZOOMに掲載させていただきました。



GW休みに入ったDIY初日。ちょうど新型コロナウイルス感染拡大で“ステイホーム”が言われていた頃です。基礎はシノザキ建築事務所の大工さんに依頼しました。



モニター用のユニット。モニターのDIY体験を元につくりやすさや耐久性を検証し、現在は商品化に向けてさらに改良されています。



枠がついた壁用のユニットが積み重なっています。さあ、作業スタート!



野地板のはみ出た部分を丸ノコでカットしていきます。パパ頑張る!
「ミリ単位での切断や、一度に切り落とせないような太い材料をなめらかに切断するのは難しい」というIさんの意見をもとに、現在は丸ノコを使わず作業ができるようにユニットを改良したそうです。



作業の合間に遊びに来たお子さん。「物置づくりになるべく専念できるように、子どもたちの世話をしてくれた妻には感謝しきりです」と話すIさん。



作業開始から5日目、完成に近づいてきました。外壁にも屋久杉地杉を貼っていきます。この板張りには、奥さまも参加されたとか。家族の思い出になりますね。



GW後の週末、ようやく完成!あらためて、自分でつくり上げた物置の立派さに見惚れるます。この後に薪棚やウッドデッキも自作、インスタの投稿は「モノづくりってサイコー!」と喜びの言葉で締めくくられていました。
 

2020年10月に「shelter」の完成見学会も開催


カーポートの奥に「shelter」の入り口があります


2020年10月17日、18日には、6畳ほどの広さを持つ超高断熱高気密の離れ「shelter」もお披露目会が行われました。


コーヒーが大好きなSさんは、shelterの窓辺のカウンターがお気に入り


Sさんは夫婦2人暮らし。お子様は既に独立し、お孫さんもいます。数年前にシノザキ建築事務所で家を建てました。退職後のセカンドライフを充実させるため、Sさんは自分の趣味ができる離れがほしいと思っていました。奥さまもフルート演奏が趣味で、お仲間を家に招いたりするなど、充実した毎日を送っています。


ちゃぶ台も屋久島地杉でできている。ロフトベッドへの階段は収納兼用


篠崎社長に相談したところ、「shelter」を提案されました。自宅と同じ快適で安全な空間を手頃な価格で持つことができるというもの。

「shelter」は、断熱材を入れるだけでなく、気密施工も行っています。そのため、DIYではなくシノザキ建築事務所の大工が施工しました。


キッチンシンクやトイレの手洗いは、ポリタンクから水を供給


キッチン、トイレなど、生活に必要な設備はほぼ揃っています。6畳という限られた空間を最大限活用するため、ロフトベッドやロフト収納を採用。床、壁などすべて屋久島地杉を使っています。


片流れ屋根でロフトの大空間を実現


「shelterは、コンパクトな建物なので高い耐震性を確保できます。2018年北海道胆振東部地震のような大地震の後に、家族が避難生活を送ることも可能です。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からも、自宅で安全に避難生活を送れるshelterは、『離れがほしい』というご要望と、防災対策という2つの側面から多くの方にお勧めしたい」と篠崎社長。

waku- projectホームページを間もなく公開

「waku project」の販売サイトは間もなく公開予定。現時点での情報をまとめます。

・用途はstorage(物置)とshelter(離れ、小屋)の2種類
・storageは基本DIY、shelterは大工の責任施工による提供
・サイズは3種類を予定
・販売予定価格はお問い合わせを

「既製品の物置は物足りない」、「隠れ家がほしい」という人には注目のwaku-project。おうちで過ごす時間が多くなった今、自分でつくる楽しさを存分に味わってみてはいかがでしょうか。
※2021年4月26日にwaku-project特設ホームページが公開されました。


2021年04月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

シノザキ建築事務所株式会社の取材記事