Column いえズーム コラム

注文住宅づくりの重要点4 住宅設計とテレビの関係

全国大手ハウスメーカーの設計部門、現場部門などで通算1000棟を超える住まいづくりに関わってきたシノザキ建築事務所篠崎廣和代表による連載コラム「注文住宅づくりの重要点」。
今回は「住宅設計とテレビの関係」です。

テレビの配置について

ここでテレビのことについてお話したいと思います。
なぜわざわざこのテーマを取り上げたかというと、一般的に家にいる時間の中でテレビを見ている時間が長いから。テレビのある場所で家族団らんすることが多いからです。
そしてもう一つ、住宅設計の仕方も少し変わってきたからです。

新しくテレビを購入する場合、もうほぼ100%といってもいいくらいの比率で、薄型のテレビに切り替えるのではないでしょうか。さらに、家の新築を機にテレビを新しくするとともに、大画面の薄型にしたいと思っていらっしゃる方も多いと思います。

Point 3-1でも触れましたが、テレビも同じで、まずは、大型家電屋さんにテレビを見に行きましょう。電化製品というのは半年たてば価格も仕様も変わっているし、結構アッと驚くような製品や便利なものがあるので、私は定期的に時間をかけてみるようにしています。

ただ、あなたがテレビを見に行くときは、特に以下の点を注意したほうがいいと思います。
① 大型家電屋さんのような、太陽の光が入ってこない蛍光灯だけの明かりでテレビを見る状況と、家に設置して見る状況は違うということ(実際には直射日光が入ってくる居間などに設置するほうが見えにくい)を理解しておく。テレビの対面が窓で、窓に背中を向けてソファを置くというケースはかなり見えにくくなります。
② プラズマテレビと液晶テレビの画面の反射具合を確認しておく(一般的にはプラズマのほうが液晶より反射率が大きい=見えにくい)
③ 大型家電屋さんは結構広いところにテレビを置いてあるので、家の中に置くとテレビ自体が思ったより大きく感じることを理解しておく
④ テレビと目の位置までのちょうど良い距離を測っておくこと
これを間違えると、最近はテレビ画面の下の方に字幕が出ることも多く目の悪い人はかなり見づらいです(一般的にはテレビ画面の高さの3倍くらい
お客様の家でもありましたが、人間は環境に慣れてしまうという特性のため「この見え方が普通だと思っていたんだけど」という人が多いのには少し驚きます。(実際はかなりの映りこみがあって見えにくい)
そうなると当然テレビの配置が重要になってくるのですが、テレビは昼間の明るい時間帯にも結構見るというお宅は、テレビ対面の壁になるべく窓をつけない設計にするか、つけても小さめの窓で反射を避けられる位置に設置するようにしましょう。

あなたがチェックできるテレビの位置と窓の寸法

まず平面図上に自分や家族が座る場所の目線の位置、テレビを置く位置、窓の位置をおおまかでいいので直線で結んでみましょう!(テレビの画面を仮に鏡だと思って書くとわかりやすいと思います) リビングダイニングの部分的な平面図ですが〔図E〕〔図F〕をご覧下さい。

〔図E〕
図E.JPG

〔図F〕
図F.JPG

あなたが上記のことをすでに理解したうえで建築業者に確認すること

「このテレビの位置だと画面が見えにくそうだけど、昼間でもはっきり見えますか?」
(ちょっと意地悪な質問かもしれません!)

あなたにもチェックできるプロの設計ポイント

最近の薄型テレビの場合は、特に以下の点に注意をはらう

①    そのポイントは、テレビの位置、人の目の位置、窓の位置の3つ。

②    当然テレビを置く背面は壁が必要になりますが、テレビの横に見える壁は20cm以上残っていたほうが見た目に落ち着くし、そのほうが美しい。(どこかの壁の端にぎりぎりにつけないということです)

③    テレビ周りに置くものも把握しておき(DVD、ビデオ、ミニコンポ、DVDやCDなどのソフトなどは増えていくことを考えて計画する)どのような収納方法にするかも決めて設定する。(テレビと付属の収納ラックは、ソフトをたくさんお持ちの方にはお勧めできません。収納を設けた造りつけ家具などで検討したほうが、すっきり美しく収まります)

テレビの置き方は結構難しいのですが、将来配置換えすることがあまりないことを考えるとしっかり考えておきたいところです。しかし、あなたの家庭がテレビよりも日当たりを重視するとか、ほとんどテレビは見ないなど、ほかに優先することがあれば当然優先順位が上位のほうが採用されることもお伝えしておきます。

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