旭川の老舗製材会社の住宅部門として、木を生かした設計に定評がある「昭和木材」。和モダンのインテリアでも人気の同社ですが、今回ご紹介するN邸は、かわいらしい洋風の佇まいが印象的です。30代のご夫婦と娘さんが暮らす平屋住宅を訪ね、お話を伺いました。
奥さまのご実家の隣に新築した、三角屋根の平屋です。
朝日が入る東面に居室を配し、西日が差し込む西面(写真手前)には、お風呂やユーティリティー、トイレなどの水回りを配置しています。
玄関は、シューズクロークを備えた家族用と、来客用にルートが分かれています。写真左のトイレは、縦ストライプの壁紙がアクセントになっています。
壁全面に造作棚を備えたシューズクロークは収納力抜群。帰宅後の動線上には、小さな手洗いボウルを付けました。
中廊下も心地よい生活のスペースに
N邸は、玄関からLDKへつながる中廊下の両側に寝室やユーティリティーが配置されています。
玄関ホールや廊下、キッチンに付けた小窓がアクセントになっています。室内5カ所に付けた小窓は、すべて正方形で統一してリズミカルに。表面がゆらめいて見える波ガラスを使用しています。
アーチ状の下がり壁とアクセントクロスでひと際映えるヌック風スペース。DIYが好きなご主人がお手製の収納ベンチを作ったので、ゆったりくつろげる場所になりました。
※ヌックとはこじんまりした居心地の良いスペースを指すインテリア用語
奥さまの「好き」なイメージを、設計に落とし込んで
「奥さまは、好きなデザインや理想のイメージがはっきりしていらしたので、設計の参考になる写真をたくさん共有してくださいました。
ご主人は、奥さまの話を聞いて意見を尊重しながらも、梁の使い方や扉の色などの要所を決められ、ご夫婦の絶妙なバランスを感じながら、安心して家づくりを進めることができました」と設計担当の林さん。
機能性だけを追い求めるのではなく、「こんな家が作りたい」という思いを設計に落とし込み、相談を重ねながらブラッシュアップしていきました。
リビングに面したオープンなキッチン。背面収納にはタモ材の木目を縦使いし、すっきりとした仕上がりにしました。広いワークトップはお子さんとのおやつ作りにもぴったりです。
キッチンには背面収納のほかに、外気を取り込む保冷庫(写真右)を備えています。
キッチンとユーティリティーの間にある造作洗面台は、「魅せる」デザインに。タイルはNさんと設計の林さんで、床に並べて模様を考えてから取り付けました。
洗面室横はユーティリティーとバスルームにつながっています。右手の収納スペースに、ニトリのケースがシンデレラフィット!壁内に収まった収納部分が、中廊下のディスプレイスペースになっています。
子ども部屋や寝室以外はひとつながりになっている回遊式なので、お子さんがどこにいても目が届き、子育てしやすい造りです。
木の良さを引き出す、昭和木材の技
テレビ背面の壁は、Nさんご夫婦も林さんも大のお気に入りという見せ場のひとつ。色合いが個性的な、無垢・無塗装のウォールナット材を大胆に使用した壁は、年を重ねるごとにオレンジ味が増していくそうです。
ほかにも、アール状の下がり壁やポイント使いした天井の木、すべて面取りされた壁材など、随所に「昭和木材らしさ」が盛り込まれています。
「ナラ材で造作していただいたダイニングセットは、座面のカーブが絶妙なので、クッションを使わなくても疲れません」とご主人。
キッチンに立つとリビングの様子を見渡すことができます。インターホンが収まるニッチは、かわいい家のシルエットに。ナチュラルな空間に、家電が馴染むアイデアです。
無垢のナラ材を使った床は、裸足で歩きたくなるほどやさしい肌触り。娘さんは、いつも家の中をのびのびと走り回っているそうです。
生活の中に、趣味の要素や遊び心を取り入れて
梁から下がるハンモックや中廊下のヌック風スペースなど、N邸は遊び心あふれるアイデアがいっぱいです。
リビングの梁を使ったハンモックは、娘さんが大好きな場所になりました。
ウォークインクローゼットを備えた洋室。ご主人のDIYにより、趣味のキャンプ道具の収納棚や書斎ができあがっていました。
子ども部屋にはクローゼットの他に可動棚を造作。今はお子さんのプレイルームとして使っています。
Nさんご夫婦にお聞きします
Q.昭和木材との出会いは?
A いつか1階の部屋だけをメインに使う時が来ると考えて、平屋建てにすることだけ決めていました。昭和木材さんが当麻町で開催した平屋のオープンハウスで、初めて会社のことを知りました。(2021.7.21 いえズーム取材 S邸)当麻町S邸の記事はこちら
Q.依頼の決め手は?
A 家づくりを始めるにあたり、住宅展示場などで沢山の家を見学しました。各社を回りながら、「自分たちの意見を聞いてくれる会社に依頼しよう」という気持ちが固まりました。
「あの会社で建てたのね!」と言われる家ではなく、「この家、どこの会社で建てたの?」と言われるような、自分たちだけの家を建てたいと思ったからです。
木を生かした家を造りたかったので、『木のことを知る製材会社さんが安心』という信頼感も、お願いする決め手になりました。
【記者の目】
「収納扉の木目は、縦にするか横にするか」「壁材はウォールナットにするかパインにするか」。一つひとつのアイテムを吟味したエピソードに、Nさんご夫婦と林さんのチームワークの良さが垣間見える取材でした。
1階床面積 | 102.68㎡(31坪) | |
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延床面積 | 102.68㎡(31坪) | |
構造・工法 | 木造(在来工法) | |
断熱(壁) | 吹込用ロックウール厚 60kg100mm (付加)押出法PSF3種b 30mm |
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断熱(天井) | 吹込用ロックウール厚25kg 300mm | |
断熱(基礎) | 外 押出法PSF3種 50mm 内 押出法PSF3種 50mm スカート断熱3種50mm |
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断熱(窓) | エルスターX(トリプルガラス) 一部 エルスターS(ペアガラス) |
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換気 | 第3種換気システム | |
暖房 | エコフィール(灯油) セントラル暖房 |
2022年07月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。