「ライフプランで子どもは3人と決めていたので、大きくて広い家にしたかったんです」と話すKさんご夫婦。取材に伺った日の1週間後に出産予定日を控えていた奥さまは「もうすぐ5人家族になります」と笑顔で取材陣を出迎えてくれました。
2023年9月に完成したKさんの住まいは延床面積43坪・2階建の5LDK+書斎というゆとりの広さです。設計をしたのはオーナーの希望に沿ったプラスαの提案で支持されている白田建築事務所(札幌市手稲区)。Kさんご夫婦と設計士の白田智樹さんにお話を聞きました。
白い壁と明るい木目・吹き抜けで繋がる開放的な室内
3色のサイディングで色分けされた外壁は、奥に明るいカラーを配置することで、立体的でスタイリッシュな印象になりました。夜はカーポートの屋根に設置されたライトが点灯して昼間とはまた違った雰囲気になります。
土間を照らす間接照明が印象的な広い玄関。2段式になった上がり框は白田さんの提案でつけられました。
白田さん 雪の多い場所なので外の段差は凍結しやすくなり、それを防ぐには屋根付きポーチを作る必要があります。玄関の中に段差をつけることで、ポーチを作らずに費用を抑える選択をしました。
吹き抜けの開放的なLDK。白い壁と明るい木目の配色は奥さまのリクエストです。
グレーをアクセントカラーにしたダイニングキッチン。配膳がしやすい横並びの配置で、家事動線をコンパクトにすることができました。下がり天井を背面収納と同系色にすることでキッチン全体に統一感が生まれています。
キッチンはTOTO、背面収納はリクシルを採用しました。背面壁はマグネット壁になっています。「幼稚園からのお便りを貼っておけるので便利です」と奥さま。
キッチンのすぐ後ろには大容量のパントリーがあり、冷凍庫のほか、保冷庫も備えています。
「どこにいても家族の様子を見守ることができる家にしたかった」という奥さま。キッチンからはリビング全体を見渡すことができ、吹き抜けを介して2階にいる家族ともコミュニケーションが取りやすい造りです。
ランドリースペースの造作棚には収納ケースがピッタリと収まっています。
リビング横には将来的に仏壇を置くための和室をつくりました。小上がりになっているので腰掛けてテレビを見たり、子供たちが寝転がって遊んだりと重宝しているそう。
和室の隣にはご主人が兼ねてから希望していた書斎スペースがあります。「白とグレーを基調にして、カフェのようなイメージでクロスや床材を選びました」とご主人。
白い壁にキレイな木目が映えるリビング階段は、手すりも踏み板も耐久性のあるタモ材を使用しています。
主寝室と3部屋の居室で構成される2階
主寝室には見たことのない大きさのベッドがありました!
「家族みんなで一緒に寝たい」というKさんの希望を聞いて、白田さんが提案したベッドは、子どもたちの成長に合わせて長く使えるように1台ずつセパレートできる仕様になっています。
白田さん 使っているマットレスの寸法を測って、連結した時にズレて隙間ができないようにピッタリのサイズにしました。引き出し収納も付けています。
ゼッチオリエンテッド基準を満たす都市型のエコハウス
Kさんの住まいはゼッチオリエンテッド(※)の基準を満たした上で、換気システムは自然の力を利用したアースチューブを採用しています。アースチューブは、地中に埋められた管を通して室内に新鮮な空気を取り込む換気方法で、夏の暑い空気や冬の冷たい空気を室内に入れる前に和らげ、空調にかかるエネルギー負荷を軽減させる効果があります。動力を使わず自然な空気の流れを活用する、省エネでエコなシステムです。
※ZEH Oriented(ゼッチ・オリエンテッド)は、太陽光パネルなどの「創エネ」設備は不要ですが、ZEH住宅と同程度の高い断熱性(断熱等級6以上)が求められます。
吹き抜けが空調効率を高めて、アースチューブによる換気で、より少ないエネルギーで室内温度を調整することができます。
Kさんにお聞きしました。
Q/家を建てようと思ったきっかけは?
2人目の子どもが産まれたことがきっかけです。広い環境でのびのび育てたいという思いから家を建てようと決めました。
Q/白田さんと出会ったきっかけを教えてください
奥さま 建築関係の仕事をしている父の紹介で最初に清水工務店さんを知ることになりました。清水工務店は毎年白田さんと仕事をしているということで清水社長から白田さんを紹介いただきました。間取りの要望だけでなく、使いたい色や素材もたくさんあって、数え切れないほど色々なリクエストをしたのですが、清水社長と一緒に予算内に収めるために色々な工夫をしてくださいました。
Q/光熱費は以前の住まいと比べていかがですか?
ご主人 安くなりました。冬場の灯油代を合わせても、以前のアパートと同じくらいか少し安くなっているほどです。
Q/住み心地はいかがですか?
奥さま 快適で大満足です。初めての冬はとても暖かく過ごすことができました。住んでみて家の中がすごく静かなことに驚きました。すぐ裏にコンビニエンスストアがあるのですが音が全く気になりません。
白田さん アースチューブを採用しているので壁に換気のための穴が無く、外からの音が入ってきにくい構造になっています。音が静かなのは断熱・気密がしっかりとしている証拠でもあります。
「子どもたちも広い新居でのびのび過ごしています」と話す奥さま。家事をしながら家族を見守ることができる家は、忙しいママにとって嬉しいことばかり。これからの暮らしも楽しく快適なものなりそうです。
白田建築事務所の家づくりは、構造用合板現しの内装にガルバリウム外壁といった、素朴でナチュラルな住宅から、K邸のようなホテルライクな住宅まで、多彩なデザイン提案も魅力です。白田さんの「オーナーに寄り添う家づくり」の姿勢を改めて感じた取材になりました。
【建築概要】
1階床面積 | 23.30坪 |
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2階床面積 | 20.29坪 |
延床面積 | 43.59坪 |
構造・工法 | 木造2階建 在来工法 |
断熱(天井) | グラスウールブローイング 400mm |
断熱(壁) | 高性能グラスウール105mm・付加断熱スタイロフォームB3 20mm |
基礎 | スタイロフォームB3 75mm |
断熱(窓) | トリプルサッシ LIXIL EW |
換気 | 第3種換気システム(ルフロ400)自然吸気(アースチューブ) |
暖房 | 1・2階とも床暖房+補助的にエアコン暖房使用 |
カメラ 村川写真事務所
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