スキップフロアの魅力とは?
スキップフロアにはどんなプランがある?
段差によるリズミカルな空間設計が魅力のスキップフロア。
オシャレで楽しい雰囲気に仕上がるのも魅力です。
代表的なプランには
・階段の踊り場を広くとって書斎や子どものプレイスペースにする
・リビングとダイニング・キッチンをスキップ構造にして適度に独立させる
・スキップフロアの下部を収納やペットスペースとして有効活用する
などがあげられます。
スキップフロアがつくるほどよい距離感
その魅力は何と言っても「程よい距離感」が生まれること。
同じフロアではちょっと集中しにくい、少しだけ独立した空間にしたい、けれどもドアや壁でふさぐほどではない。
そんな時に、スキップフロアをゾーニングに採用するのも一案です。
リビングとゆるやかにつながるダイニング・キッチンや、書斎コーナーを設ける時などには最適です。
1階からも2階からも目が届く場所なら、小さなお子さんのプレイスペースや、畳を敷いたお昼寝スペースなどにするのもおすすめです。
リビングとは別に、来客をもてなす客間や、ゆったりと寛ぐためのセカンドリビングにしているオーナーも。
家族の気配を感じながら自分の世界に没頭できる小さな書斎スペースをつくっているお宅もあります。
都市部や狭小地、傾斜地などでは採光計画にも重宝
まわりに建物がビッシリ建っている都市部では、組み込み車庫の上にリビングを配したプランなども人気。高い天井高を確保でき、窓からたっぷり陽射しを採り込むことが出来ます。
自動車整備用リフトのあるガレージハウス/札幌市東区 Tさん
傾斜地や狭小地でも、スキップ構造にすることで、通常のフロア構造では得られないスペースが生まれ、開放的な空間設計が可能になります。
施工経験豊富な住宅会社が安心
スキップフロアと一口にいっても、数段階段が付いただけの小さなスペースから、ダイナミックに構成したプランまでさまざま。採光計画や階段の納め方、家全体のバランス、強度などを考えると、施工経験が豊富な会社に任せられると安心です。
今回はiezoomが取材した実例から、おすすめのスキップフロアの事例と、その施工会社をご紹介します。
ビルトインガレージ+吹抜けのLDKで憧れのカーライフを満喫 札幌市東区/Kさん
Kさんが選んだ住宅会社は、おしゃれで機能的な家づくりに加え、土地探しからアフターメンテナンスまで手厚くフォローし、オーナーから厚い信頼を得ているマルトモホーム(丸友サービス株式会社・札幌市東区本町)。札幌でもスキップフロア住宅の草分け的な存在であるマルトモホームが手がけたKさんの家は、念願のガレージと暮らしやすい間取りの両方が叶った理想の住まいとなりました。
カーレースが趣味のKさん。ビルトインガレージは家を建てる時の一番の希望だったといいます。天候に左右されずに車のメンテナンスができるガレージは、愛車を雨風から守るだけでなく防犯面でも安心です。
リビングの隅に置いてある椅子はドライブシミュレーションゲームのレーシングコックピット。Kさんが実際の車のシートを取り付けてカスタマイズしたものです。ゲームをしている時も、後ろを家族が通ることができる広いリビング。吹抜け天井とスキップフロア構造で視覚的にも広さを感じられ、大きなレーシングコックピットを置いていても窮屈さを全く感じさせません。
ビルトインガレージ+吹抜けのLDKで憧れのカーライフを満喫 札幌市東区/Kさん
家族の気配が常に感じられる7層スキップフロアの家 秋田県仙北市/村上工務店
家を建てる上でまずこだわったのは、スキップフロアの間取り。
ご家族の個室やスタディースペース、フリースペースと全7層にもおよぶフロアから成り立っています。
スキップフロアは、SNSで発信されている住宅施工例を見ている中、奥さまが直感的に「この感じがいいな」と、希望したそうです。
奥さま「部屋にこもるのではなくて、それぞれの気配が感じられる空間の中で過ごせたらと思い、スキップフロアを設計してもらいました」
独立した子ども部屋はもちろんのこと「それぞれの個室を作る」のが要望だったという奥さま。
ワンフロアに1部屋、それぞれの階でそれぞれの時間を過ごしながらも、孤立を感じさせない雰囲気があるのはスキップフロアならでは。
ブロックごとに分かれた空間を造るにあたっては、耐震性を維持するための構造設計に苦労した村上さんですが、緻密な設計で要望を叶えつつ安全・安心を守った家となりました。
「スキップフロアで家族の笑顔が増えました」秋田県仙北市/村上工務店
二世帯がつかず離れずのスキップフロアのリビング 札幌市T邸/マルトモホーム
マルトモホーム(丸友サービス株式会社・札幌市東区本町)は、スキップフロア構造を得意とする住宅会社です。北向きの土地や狭小地で、光を採り入れるための対策として考案されたのがきっかけで、スキップ構造がまだ珍しかった1990年代初頭に、同社は第一棟目のモデルハウスを発表し、センセーショナルを巻き起こしました。
1階と2階をつなぐのが、中2階に設けたリビングです。床の高さが違うことで、目線が変わって楽しいだけでなく、ダイニングともゆるやかにつながって、広がりも感じさせてくれます。
リビングとダイニングは2つの世帯の共有スペースになっています。「コロナ禍では両親と食事の時間を分けるなどして生活できました。距離を保ちながらも顔が見える、適度に離れていてもつながった感じがよかったです」と奥さま。3人の孫と、それまで離れて暮らしていた高齢の祖父母が互いに心地よく過ごすのに、とくにこのリビングが果たす役割は大きいといいます。
奥さま スキップフロアのリビングを通って、2階に向かうときの動線がいちばん楽しく感じます。この家はたぶん、30年経っても変わらず好きでいられるような気がします。
二世帯がつかず離れずのスキップフロアは収納も大充実 札幌市Tさん/マルトモホーム
平屋でも「階段が欲しい!」という子供たちの希望を叶えるスキップフロア 芽室町O邸/イゼンホーム
教育関係の仕事をされている奥様は、自然と子ども目線での家づくりに。「移動が楽で暮らしやすい平屋の家を」という大人の希望と「家に階段がほしい!」という子どもたちの希望を両立させるために、LDKの一角にスキップフロアを作りました。その下は収納を兼ねた秘密基地のような空間になっています。
子どもたちも大満足!夏は涼しく、冬は暖かなパッシブ換気の家/芽室町Oさん
スキップフロアに小さな書斎…愛着深めるオリジナルの間取り 清水町T邸/プラスワイド
階段の途中にはスキップフロアが。
リビングに面したデスクの下には足を入れられるようになっています。
「せっかく注文住宅を建てるなら少し遊び心のある造りにしてみたいと思っていたんです。子どもができた時に喜ぶかな、なんて思っています」
ソーラー発電で暮らすスタイリッシュモダンな家/清水町Tさん
くつろぎの空間がつながる4層構造 定山渓H邸/丸三ホクシン建設
Hさんはご夫婦と3人の子どもたちの5人家族。この家は4層構造のスキップフロアになっています。1階にはダイニングキッチンと家族の寝室が設けられ、数段下がったフロアは子どもたちの居場所と収納スペース。1.5階がリビングで、さらにその上には寝室とフリースペースとして使っている小屋裏が2カ所あります。
「1階、2階と分かれるのが嫌で、すべてがつながっている空間にしたかった」と言うHさん。当初はフルフラットの平屋も検討していましたが、床面積が広い平屋だと予算オーバーになるため、スキップフロアの2階建てを選択。それぞれが別のフロアで過ごしていても、家族の声や気配が身近に感じられるのは、この構造のおかげです。
絶景を眺めるスキップフロアの家 定山渓H邸/丸三ホクシン建設
吹抜け+スキップフロアのリゾート感あふれる家 札幌市Yさん/(株)キクザワ
恵庭育ちのYさんご夫婦は、マイホーム建築にあたり、自然素材を使った居心地の良さや使いやすい間取り、造作のオリジナル家具などで人気のある地元・恵庭の工務店キクザワに設計・施工を依頼することにしました。
吹抜のリビングはスキップ構造になっていて、1階フロアから2段下がったところに7畳の半地下空間があります。その上にも階段途中のフロアがある、リズミカルな造りです。
吹抜け+スキップフロアのリゾート感あふれる家 札幌市Yさん/(株)キクザワ
2WAYの階段でつながる高天井のリビング 札幌市/アシストホーム
玄関を開けてまずびっくり。いきなり二方向に階段があります。実はどちらの階段もLDKにつながっています。
リビングは吹き抜けで、窓は南向き、開放感のある気持ちのいい空間です。
よく見ると、壁掛けテレビ左横の開口や、インターホンを取り付けた壁のニッチ、階段側の飾り棚などが、すべて三角屋根のおうち型。同じモチーフがリンクして統一感のあるデザインになっています。
テレワークも快適!工房と隠し部屋のある家 札幌市/アシストホーム
家族のコミュニケーション深まる、4層スキップフロアの家 札幌市I邸/北渡建設
北渡建設で新築し、今年9月に入居したIさん。最大の特徴は4層のスキップフロアプラン。このプランに至るまでは、6年にわたるIさんと北渡建設との「縁」があります。
床から土間の高さまで掘り下げた階段下のペットスペース、1階、吹き抜け階段の踊り場、踊り場から出入りできる書斎、そして2階と、Iさんのお宅は内部が4層構造のスキップフロアになっており、玄関を入ると大工さんの丁寧な仕事ぶりが感じられる造作収納家具や建具が出迎えてくれます。詳しくは↓記事参照ください。
家族のコミュニケーション深まる、4層スキップフロアの家/札幌市 Iさん 北渡建設
スキップフロアに畳のフリースペース 恵庭市K邸/キクザワ
2022年8月、恵庭市Kさんの新居が完成しました。設計・施工したのは、自然素材をふんだんに使った温もりと、断熱・気密に優れた高性能な住まいづくりで人気のキクザワ(恵庭市)です。
2階フロアの手前には、中2階(スキップフロア)の畳のフリースペースがあります。今はお子さんのプレイスペースとして重宝しているそう。文机を設けることで絵本を読んだりお絵描きや工作を楽しんだりとちょっとした作業スペースとしても活用できます。階下は半地下空間を活用したご主人の書斎になります。
作業用のデスクを完備した書斎。楽器演奏が趣味だというご主人の希望で壁は簡易防音になっています。集中して作業ができ、重宝しているそう。
空間の「余白を楽しむ」片流れ屋根のオフグリッドな家 恵庭市Kさん/キクザワ
スキップフロアの共有スペースと下の空間を活用した隠れ家スペース 恵庭М邸/丸三ホクシン建設
恵庭市のМ邸は、ご夫婦で住宅展示場を見学するなかで、ホクシン建設のオープンハウスも見学。それ以来「他社の家がどれも普通に見えてしまって・・・」と振り返ります。
中2階には大きな窓があるので1階と2階も明るくなります。階段は、中2階の「共有スペース」がある「スキップフロア」。パソコンを使ったり、娘さんが絵を描く時などに使用しています。
もう一つ、M夫妻がこだわったのがリビングより一段低い「隠れ家スペース」。スキップフロアの中2階「共有スペースの下を活用した空間です。ご主人の「居酒屋にあるような、あえてちょっと狭い空間が欲しい」という要望を踏まえた部屋です。「今朝も家族3人ここで朝食を食べました。開放的な家の中で唯一狭い部屋で、雰囲気が違って楽しいんです」とご主人。
開放感あるスキップフロアの家 恵庭市・M邸 丸三ホクシン建設
スキップフロアのリビング 札幌市南区N邸/アシストホーム
札幌市在住のNさん。
最初に性能と費用の基準を把握しようと、全国に支店を持つ大手ハウスメーカーのイベントに参加。
さらに、数社のモデルハウスを見学しましたが、次第に「規格品の組み合わせはイヤだ」と考えるようになったそうです。
複雑な段差のある土地でしたけど、アシストさんは『変形の土地はむしろ得意』というのでお任せしました。
こういう難しい土地だから個性になるというか、プランナーの腕の見せどころなのでは、という想いもあったんです」
村田さんが提案したリビングはスキップフロア。ダイニングよりも床面を少し下げたつくりです。
「ちょうどベンチ代わりに腰掛けられる高さなんです。お客さんが大勢来ても、みんな輪になって座ってなごめる。これはすごく良かったなと思って…」
2mの高低差を活かし、上から下へ光が通り抜ける家に(札幌市南区N邸)/アシストホーム
1階天井高に合わせた中2階がつながるスキップフロア構造 石狩市・F邸/ブレイン札幌
札幌の工務店、ブレイン札幌は、住宅性能や床暖房で知られる住宅会社ですが、設計・プラン面は、建築家と連携するので、デザイン・プラン力の高い家づくりが可能です。スキップフロアの事例もあったのでご紹介します。
階段の踊り場からの眺め。上階は3mある1階リビングの天井高に合わせた2階(濃紺の壁紙の貼られたフロア)の手前に、通常の1階天井高に合わせた中2階がつながるスキップフロア構造。設計士さんのアドバイスにより、高さや奥行きを感じられる立体感あるデザインになっています。
独自床暖房の快適設計&高天井のリビングの家/石狩市・ブレイン札幌
スキップフロアを書斎として活用 当別町H邸/辻野建設工業
こちらは、玄関から見上げたところ。中2階のスキップフロアは書斎として使っています。1階には寝室やユーティリティーを設けました。
札幌近郊で薪ストーブのあるすてきな暮らし 3事例 辻野建設工業
スキップフロアを効果的に使った、眺望重視の開放的な2DK ニセコ町・Y邸/アウラ建築設計事務所
アウラ建築設計事務所の家づくりは、代表:山下一寛さんとの雑談を交えたミーティングの中からきめ細かく家族の要望を受け止め、家づくりに反映させていきます。
ガレージハウスや北海道移住者の家づくり、車椅子住宅や身体の不自由になった方がいらっしゃるご家族のための住宅設計、店舗、施設など、顧客のさまざまな要望にきめ細やかに対応する点が魅力です。
オーナーのYさんは、息子さん、猫たちと暮らしています。
ニセコの山々に囲まれたこの土地をあらわすような屋根の形と、大地の色を感じさせる外壁のシンプルなたたずまいが印象的。
Yさんの部屋は、リビングダイニングから4段ステップを上ったところにあるスキップフロア。
部屋の外には桜の木が植えられていて、シーズンになれば窓越しに満開の花を楽しめます。
また、部屋の隣には車いすでも入れる広さのYさん専用トイレがあり、愛猫たちのスペースも同じ高さに配置しています。
ニセコ移住。ネコと自然の中で暮らすロフト付き平屋 ニセコ町・Yさん/アウラ建築設計事務所
吹き抜け下のスキップフロア シノザキ建築事務所
ウォルナットの無垢床に生成り色の塗り壁、シンプルながら上質感ある明るいリビングです。吹き抜けの下にあたるスキップフロアには、落ち着いた色の造作ソファーが。親子で遊んだりゴロンと横になったり、お客さまが来てもリラックスして過ごせそうなスペースです。
時間をかけて創り上げた上質な住まいを見学!/シノザキ建築事務所
秘密基地のようなスキップフロアのフリースペース 江別市N邸/シノザキ建築事務所
階段の踊り場を広くしたスキップフロアのフリースペース。目の届く場所で勉強させるために造ったそうですが、この秘密基地のような小空間があることで落ち着いた雰囲気のリビングに遊び心が加わりました。
造作したカウンターは足を伸ばして座れる掘りゴタツ方式。小さな子供なら頭までもぐり込んでしまえて隠れんぼにはもってこいです。イタズラもできそうですが「ソファに座っているお父さんにはわからなくても、キッチンにいるお母さんにはしっかり見えています」と篠崎さん。転落防止柵と目隠しを兼ねた木の格子は階段が出来た後、キッチンから子供の姿が見えているかを確認しながら造り方を決めたそうです。
夢を育むスキップフロアの隠れ家/江別市Nさん
傾斜を活かしたスキップフロア 芽室町T邸/水野建設
緩やかに傾斜した屋根とカラマツの外壁が特徴のT邸。建物は土地の傾斜を活かし、一部をスキップフロアに。土地の高い部分にあたる写真の奥側が1階、低い部分にあたる手前側が0.5階と1.5階というような構造になっています。
LDKと階下・階上をつなぐスキップフロアです。段差が低いため、子ども部屋のある1.5階とLDKには一体感があります。
傾斜を活かしたスキップフロア 林の中の家/芽室町T邸 水野建設
趣味を楽しむスキップフロア風の空間 清水町Y邸/カントリーヴィレッジ
Y邸で印象的だったのがこちらの階段です。踊り場が中二階(スキップフロア)風に使われ、小さな部屋のような空間になっています。ピアノを置く案もあったというこちらのスペースは、ご主人の趣味である熱帯魚とディスプレイのコーナーに。アンティークの照明が印象的です。
ストレスフリーな住み心地/清水町Y邸 カントリーヴィレッジ
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